看護師の職域は、基本的に療養の世話や診療の補助に限られます。
しかし同じ看護師でありながら、相対的医行為に関わる看護師もいます。
それが特定看護師や診療看護師と呼ばれる専門職ですが、実は法律上、これらの看護師に関する明確な定義はありません。
厚生労働省では2015年10月から特定行為研修制度を開始しましたが、一般的にはこの研修を修了した看護師を特定看護師と呼んでいます。
一方、診療看護師とは、日本NP教育大学院協議会が主催する認定試験を通過した看護師に付与される民間資格です。
絶対的医行為こそ禁じられていますが、診療看護師は手術助手などの相対的医行為や、特別行為に携わることができます。
尚、相対的医行為は医師の具体的指示に、特別行為は医師が包括的指示を記した手順書に基づいて行わなくてはなりません。
こうしたことから診療看護師には、医師が何らかの都合で患者の対応ができない時に検査や説明を行ったり、他の職種と連携しながら、円滑にして安全、質の良い医療サービスを提供することが期待されています。
診療看護師は英語でナースプラクティショナー(NP)と訳されますが、海外のNPと同一とは言えません。
例えばアメリカのNPは外科手術こそ認められないものの、診断や薬の処方、投薬などの権限が与えられています。
医師から独立して開業したり、過疎地ではプライマリケアに関与するケースまである程です。
このようにアメリカのNPの職域は、日本の診療看護師と比べて広く、むしろ看護師と医師の中間的な位置づけとなっています。
診療看護師を目指す方は、<診療看護師を目指して《NPキャリア》>などのサイトを参考に、まずはその職域などからしっかり確認しておくことが大切です。